2014年12月31日水曜日

白紙の未来に書き込まれること

いよいよ2014年も終わり。

今年を振り返ると、一番大きな出来事はやはり転職を決めたこと。25年間勤めた大手ビール会社を退職し、来春から新しい仕事に就く予定。10月10日の最終出社日以降は、転職活動や、今まで時間がなくてできなかったことに手をつけたり、会いたかった人を訪問するなどしている。

そういった毎日を、実は柄にも無く日記につけているのだが、これが2001年からもう14年続いている。「10年日記」という、1冊に10年分の日記を書けるもの。1ページに1日分=3行の欄が10ある。ある1ページの一番上の欄は2001年3月3日分で、その下が2002年3月3日、さらに下が2003年3月3日と、10年分の同じ日が並んでおり、同じ日の日記を毎年同じページに書き足していく形だから、過去の同時期に何をやっていたかを思い返しながら書くことができ、なかなか楽しい。



2001年から2010年までの1冊を見ると、2001年初めは、ビール会社の営業で地方を回っていた。その年の後半に東京本社へ異動になり新規事業の開発、2002年に小さな新会社を設立して、5年間、先鋭的ビールブランドの展開に邁進。2007年に今度は海外M&Aという全く違う分野の仕事になり、2009年には買収した海外の会社に異動、と、日記をつけだす2000年以前に比べると圧倒的に変化の大きな10年だった。

そして2冊目、写真の2011年からの10年日記。最初は海外駐在員として始まり、東日本大震災の直後に帰国、大手ビールブランドの海外展開の企画実行部門のリーダーとなり、これを2年半、そして国内の清涼飲料事業の新規事業開発に1年ほど携わった。2014年の春に転職を考えるきっかけがあり、夏に決断、10月に最終出社となった。

今日、2冊目の10年分のうち4年分を書き切ることになる。奇しくもこの1冊が終わる2020年は東京オリンピックが開催されることになった。それまでのあと6年間、どんなストーリーを書くことになるのだろう?

思えば、2001年、35歳になるにあたり、自分から高校時代の仲間に呼びかけて、バンドのライブを高校2年の文化祭以来18年ぶりに催した。そしてその勢いもあって会社の新規事業企画業務の公募に手を上げた。その2001年は大きな転機だったと思う。そして、ライブを実行した後に、まとめとして自分のブログに書いた言葉が、今も信条になっている。

「自分のストーリーは自分でつくろう」
「自分のステージは自分でつくろう」

みなさま、よい年をお迎えください。






2014年12月28日日曜日

幅の広さに刺激され

久しぶりにベルギービールを飲みに。
繁華街をはずれた路地から、さらに店があるとは思えない避難階段のような空間を上がったところに隠れているビアバー。


ベルギービールの魅力は香味の幅の広さ。酸味、甘み、苦みといった味覚の要素全てで、一般的に日本人がビールの味と認識している範囲を右へ左へ広げてくれる。
ブランド専用のグラスがそれぞれ個性的なデザインで、これまた楽しい。その中でも幅が広い聖杯形のグラスが一番好きだ。このロシュフォールとか、オルヴァルとか、特に。


ゆっくりゆっくり、ビールを揺らしながら。ずいぶん時間が経っても、きめ細かい泡がきれいに立ってくるのがすごいな。

ベルギービールを飲むと、インスピレーションが沸いてくる。

2014年12月26日金曜日

「自分メディア」を作るとは?

最近特にFacebook、twitterに力を入れ、mixiの更新を再開し、新たにGoogle+を始め、そしてしばらく離れていたブログを再開したのは、それなりの考えや目的があってのことだけど、中途半端にやっても時間を無駄にするだけだとわかっているので、これから数ヶ月の間は特に集中して学び試行錯誤をしていきたいと思っている。

それで、インプットとしていろいろ書籍も当たっているのだけど、名前だけ聞いたことがある有名ブロガー「ちきりん」さんの著書はとても参考になった。ブログ運営のテクニック的なことというよりは、なぜブログをやるのか、なにを目指しているのか、という強い目的意識を持つことの大切さがよくわかる。

本書の中で自分でも言っているけれど、平易な文章の巧さが際立っている。









本書の内容を自分と重ね合わせながら書きたいことがいくつかあるけれど、それは追い追いとして、ブロガーを目指す人にはお奨めの一冊。

2014年12月24日水曜日

ビアバーでは出会えないビール

しばらく遠ざかっていた世界にキャッチアップしようと何冊か本を買ってみた中で、目を引く記事があった。

「極上のクラフトビールが飲める 120店」という、タイトルのとおりクラフトビールを取り扱うお店の情報誌で、東京近辺のビアバー、パブなどの紹介の中にクラフトビールに関するトピックを織り込んでいる。

10数年ほど前は、地ビール系のお店と言えば、両国のポパイ、下北沢の蔵くらで、ブリティッシュ、スコティッシュ、アイリッシュ系のお店と言えば、多店舗展開のダブリナーズ、HUBに、西麻布ヘルムズデール、赤坂ホブゴブリンなど、ベルジャン系ではベルゴ、ブラッセルズというような名前が挙がり、指折り数えられた気がするが、いつの間にやら桁数が上がってしまったようだ。この本に掲載されている120店はほんの一部であり、クラフトビールが飲めるお店はもっともっとあるのだと思う。

そして、目を引いた記事というのが「ビアバーでは出会えないビール!?」というコラム。そう、ガージェリーが紹介されている。ビアスタイル21社に直接取材した訳ではなく、ガージェリーのWEBサイトを見て記事を書いている様子だが、ビールの紹介とともに触れているのは、このビールは同書に掲載されているお店では飲めないということ。

ガージェリーが他のクラフトビール・地ビールとはまったく異なる展開の仕方をしているために、取扱店が数百店にもなるのに、こういったビアバー・パブではほとんど見られないということに目をつけた初めての本ではないだろうか。

先日、日本全国の地ビール・クラフトビールを飲み尽くしたという方のホームページを見たら、やはりそのリストにガージェリーは入っていなかった。クラフトビール好きな人は急増しているが、ほとんどの人はガージェリーを知らない。なぜなら、ほとんどのビアバーには置いていない、クラフトビールの品揃えを充実させた酒屋さんでも買うことはできない。

別のどこかで別の人たちに熱く支持されながら、さらに裾野を広げている。

面白い話だ。

2014年12月20日土曜日

静かに力強く、大地に根を張るように

ボクが大学生のときに六本木に「ハートランド」というビアレストランが出現し、このビールは知る人ぞ知るというスタートをした。そして、いくつかの文化的イベントや期間限定のビアホールなどにより少しずつ存在を示していくという、他の大手ビールブランドが、TVコマーシャルを主体とするマス広告で一気に知名度を上げて、ボリュームを獲得するというやり方をしているのとは、明らかに違う道を歩んできた。

大地に根を張る樹木がブランドのシンボルとして刻印された緑色のボトルや、ちょっと国籍不明な感じのある懐の深いネーミングが、そしてマイルドで豊かなオールモルトビールの味わいと調和して、感性ある人たちの琴線に触れてきたのだろう。

1986年に発売されて実に28年、お、このお店いいな、というところにはなぜかある、と感じるような存在になっている。そして何より商業的な臭いがほとんどしないのが良い。きっと20年後も変わらず、このビールは大地に根を張っているだろうと思う。そういう風に育てて欲しいな。





2014年12月18日木曜日

本に囲まれる幸せの行方

先日の話、渋谷でちょっと時間をつぶそうと思って、いつもの文教堂へ寄ろうと思ったら、なんと閉店していた。この10年ほどでオープンした大型店に比べると確かに規模的には中途半端な感じがしたし、ネット通販や電子書籍が台頭して書籍市場も力関係がだいぶ変わったことは、調べなくても想像がつく。


BOOK OFFを活用したり、kindleを愛用し始めておいて、こんなことを言うのもなんだけど、リアルな本屋さんが減るのは寂しい。そもそも今回の用途のような時間つぶしの場所としてうってつけだし、何よりも、お店によって品揃えが違うことが楽しいのだ。ビジネス街、学生街、住宅街など、立地によって山積みになって陳列されているタイトルがだいぶ変わる。それによって新しい発見があったり。

そう考えると、リアルな本屋さんも、立地、品揃えの仕方、陳列の仕方にひと工夫ふた工夫すれば、小さな店舗でも大きな可能性があるんじゃないかと思う。

2014年12月14日日曜日

記念すべき日は突然に

今年10月に二十歳になった息子と飲みにいくことに。

ビール、ワイン、日本酒、どれに興味がある?と聞いたところ、日本酒と言うもんで、ボクが30年ほど前より行っている渋谷の居酒屋へ。今の彼よりも若い時から来ていた(え?)このお店で、まずは初級ということで本醸造、吟醸酒、純米酒などの意味を教えつつ、自分がここに通い始めた頃のことを語る。



そして、頃合いを見計らって、歩いて1分、そう、渋谷だから、Shot Bar Cheersへ。



まだこのブログで語ってはいないので、諸々の事情はまた後ほど、ではありますが…、自分が生み出したビールを自分の息子とバーで飲む、これほどの感慨はなかなかないのではないかと思う。

今日のCheers、エアコンが故障して、寒〜い店内だったことは、それはそれで。

2014年12月14日、ありがとう。

2014年12月12日金曜日

23時にバーで出逢うスタウトビール

最近はすっかり行くことが少なくなったが、渋谷で飲むとなるとまず1軒では終わらない。何軒か飲んで回って、最後に必ずと言ってよいほど寄るバーがある。
もう10年くらいのおつきあいになる「Shot Bar Cheers」は、井の頭線ガード下辺りから1区画国道246号線方向に行った角にある路面店。駅に極めて近い上に、都心立地のオーセンティックバーとしてはリーズナブルな価格でプロ意識の高いバーテンダーのサービスを受けられる。夏の天候が良い日には窓が開け放たれオープンテラス状になり、とても気持ちが良い。

ただ、いつも3軒目、4軒目で行ってしまい、酔いが回り記憶が薄いことが多い。本当にお店にゴメンナサイとい言いたいのであるが、この辺はなかなか成長できないんだなぁ。


まあ、しかし、バーカウンターでガージェリー・スタウトを飲むことが、自分にとって最高のひとときであることは間違いない。

Cheers!


2014年12月9日火曜日

アボットさんの選択

なにやら街はクリスマスモード。寒さも手伝ってぐっと雰囲気が出てきていますな。正直なところ、さほどクリスマスに心ときめくわけではなく、むしろ若かりし頃の寂しかった思い出が心の底から浮かび上がり、せつない気持ちになるんだなぁ。


寒いときはぬるいビールが恋しくなる。

六本木Abbot's Choiceでちょい飲んでいこう。
このお店ができてから10年くらい経つが、入るのは初めて。開店当時はお店オリジナルのビールを前面に出していたのが印象に残っているが、今はもうやっていないとのこと。一方で都内に8店舗展開していて、このお店のあるビルの地下にあるANT'N BEEという国産クラフトビール専門のパブも系列店だそう。

よなよなエールとキルケニー

この10数年前に赤坂のホブゴブリンに行ったときは、外国人だらけの店内の雰囲気に圧倒されたけど、今や日本人にもパブという業態がすっかり定着した。パブの中でもいろいろ選択肢ができてきたのが嬉しいね。これからしばらくはANT'N BEEのような国産クラフトビール系のお店が増えていくんだろうと思う。

2014年12月4日木曜日

十数年ぶりの杯の向こうに見つけたこと

もうすぐ退職しようとしている会社で 以前お世話になった人に会いたかった。感傷的な要素はあまりなく、単純に今どうしているか、会って話をしたい。25年前に入社した時に一緒に時間を過ごした人たち。それから17年前にサラリーマンとして腐りそうになったときに気持ちを入れ替え前向きになるエネルギーをくれた人。前者は大阪の同世代の社員。後者は飛騨高山の同世代の酒屋さん。

それで今週の月曜、羽田から伊丹へ飛び、キタでミナミで合わせて5軒、飲んで回り、翌日には電車とバスを乗り継いで雪のちらつく飛騨高山へ移動し、懐かしい居酒屋でひとり飲み、酒屋さんと合流してふたりサシ飲み。先日の北海道もそうだが、慌ただしい旅は「飲みたい人と飲む」ため。




十数年ぶりという人に何人か会ったけども、ほとんど変わっていなかったのが嬉しかった。でも、この十数年に何があったかを話せば、そりゃ、それぞれいろいろあった。時代が環境が変わる中で、みんな何か想いを持って自分なりの選択をしてきている。だから十数年前と変わらないようで、実はそれぞれ向きを変えて進んでいる。

そう、みんな、選択をしてきている。

それを確認できた2日間だった。