2014年11月28日金曜日

幻影の醸造所?

11月24日のクラフトビールのイベントに行った際に引っかかったのが「ファントム ブルワリー」という言葉。そもそも「クラフトビール」という言葉もいつ出てきたのかわからない程この辺のことに疎くなっていた僕には、「ファントム(幻影)」と聞いても戦闘機しか思い出せない。話を聞いているとどうやら委託醸造ということのようだが、クラフトビール会社の当人の中にも「ファントム」と言われて、まだ馴染めない様子の方がいた。

僕が「G」に関わっていた2002年から2007年頃は、単に委託醸造/コントラクト ブリューと言っていたわけだけど、そのお手本は1980年代から90年代にかけてアメリカで大きく成長したボストン ビア カンパニーだった。 ビール工場に対する設備投資をしない分、マーケティング投資をしてブランドを確立した。どちらかというとビジネスモデル寄りの観念。

これに対して、僕がネットで見て回って理解した「ファントム ブルワリー」のイメージはこうだ。ある醸造家もしくはブランドが、自前の醸造所ではなく他人の醸造所で、その醸造所の特性を活かし、またはその醸造所とコラボしながら、個性的なビールを作っていく。ビジネスモデルではなく、作り手寄りの商品説明的な発想なんだと思う。 「委託」よりも「ファントム」の方が響きがカッコいいしね。

ワインのうんちくの世界にぐっと寄ってきた感じがしますな。
ちょっとキャッチアップしないと。





2014年11月27日木曜日

クラフトビールの可能性

11月24日、日本ビアジャーナリスト協会主催の「世界に伝えたい日本のクラフトビール」というイベントに参加してきた。同協会長の藤原ヒロユキさんが聞き手となり4名のクラフトビールビジネスの経営者が語るという形式。

4名というのはコエドビールの朝霧さん、横浜ベイブルーイングの鈴木さん、Rioブルーイングの菅原さんと日本クラフトビールの山田さん。


コエドはクラフトビール界では“大手”、『COEDO』ビールは今や広くコンビニやスーパーでも買えるメジャーなブランド。横浜ベイは横浜関内の小規模醸造設備併設パブ。Rioブルーイングは国内でベルギービアカフェを展開するM'sKitchen社が自社ブランドビールの委託醸造を始めたもの。日本クラフトビールは『馨和 KAGUA』ビールをベルギーで委託醸造している。

イベントのタイトルはやや勇み足気味な感じはするものの、それぞれの会社が醸造や販売に関してそれぞれの形で海外とボーダレスにつながっていることが印象的だった。酒類、ビール類の消費量が減ってはいるものの、クラフトビールにとって日本の市場はまだまだ大きい。これまでの感覚なら、日本市場の開拓も途上の小規模な地ビール会社が海外市場にまで手を出すというのは拙速ということになるが、「日本より海外で売る方がやさしい」という言葉も出た。クールジャパンの追い風もあるだろうし、完成度の高い商品は外国でも十二分に魅力的。若い経営者にとって国境はハードルにならず、むしろビジネスチャンスと捉えている。

面白いことになってきたなと、思った次第。


<おすすめ書籍>
ブランドのはじめかた
コエドビールが“地ビール”からプレミアムクラフトビール『COEDO』に生まれ変わった経緯は示唆に富む。

2014年11月14日金曜日

北へ飛んだ理由

11月11日から一泊二日で北海道紋別郡遠軽町のバー、Quand Doux Panacheを訪ねた。羽田から女満別空港へ飛び、そこから車で一時間半、北の果てというイメージもあったが、行く気になれば案外近いんだなというのが率直な感想。

店主とは、僕が「G」をやっていた時にブログを 通じて知り合った。「G」の非公式ブログ、つまりこのブログの仮タイトルの元になってる「マーケティング戦略部長日記」のことなのだけど、登録していたブログランキングサイトで 店主のブログと上位を競い合ったりしていたので、お互いに興味を持っていたし、コメントで交流もしていた。店主のハンドルネームはBOSS

そのBOSSが2007年に東京を訪問された際に、銀座煙事にお誘いして「G」を飲んでいただく機会があった。こちらとしては、「G」に興味を持っていただき飲んでくれたことが嬉しかったし、BOSSのバーにも、遠軽という町にも興味があったので、「今度はこちらが行きますから!」と勢い良く言った、言ったのだが、その後7年、 口だけ男となり、これまで機会をつくれなかった。

しかし!このたび、絶好のタイミングにより、ついに!というわけだ。


Panacheの店内はスタイリッシュかつ暖かい空気に満ちた空間。

ボクのハンドルネームの入った特別メニューが用意されており、在籍したビール会社のビールやウイスキーも気を使って仕入れておいてくれた。もちろん「G」もしっかり大量在庫で、お店の常連さんがみんな「G」を飲んでいるという状態にもなった。

おいしい酒肴においしいビール、そして何より気持ちよくあたたかい人たちに囲まれて、実にしあわせな時間を過ごした。

6時半から深夜2時までいちゃったよ(^_^;)。

翌日はBOSSの運転で、サロマ湖、網走、世界遺産の知床へとドライブ。短くも濃厚な時間を楽しませてもらった。

感謝、感謝、感謝の2日間。