2015年2月25日水曜日

カッパが東京マラソンを駆けた

たまにはお酒以外の話題。

先日、日曜日に開催された東京マラソンに参加してきた。「参加」というよりは、「当選」したという方が自然なほど、抽選の高い関門があることはよく知られている。今年は10倍程度だったと聞いた。

僕は、2007年の初開催時から2回ほど応募したが落選し、もういいやと思っていた。ただ昨年は48歳の年男、会社を退職することを決意した節目の年であり、何かがあるかもと思い応募したら、なんと当選しちゃった、というわけ。

ただ、4年前に右脚の肉離れをやってしまい、2010年のメルボルンマラソンを最後に、4年間走ることから遠ざかっていたし、5回目のマラソンとは言え、冬の大会は初めてで、完走できるか自信がなかった。

ただ仕事を離れて時間はあったので、この4ヶ月間、それなりに走り込んできた。で、その成果が試されるわけだ。

過去、走ったことがあるのは、20代でホノルルマラソンを3回、40代にメルボルンマラソンを2回。その当時のそれらの大会に比べて、今回の参加人数36,000人の東京マラソンは規模的に大きく上回り、しかもこの新宿摩天楼からのスタート。否が応でも気持ちは高まる。

天気はスタート時こそ霧雨だったが、ほぼ止み、気温はそれほど低くなく、マラソン日和と言えるだろう。

都知事の挨拶、六本木男性合唱団が歌う君が代の後、号砲は鳴った。


ボクは36,000人の大群衆の真ん中辺りからのスタートで、周囲のランナーが動きだし、スタートラインにたどり着くまでに10分かかった。この後ゴールするまで、42kmを4時間以上で走るような位置にいると、走路の混雑が解消することはない。いろいろなペース、いろいろな動きをする人とごっちゃになって走るので、接触しないように気をつけるだけで、けっこう体力を奪われた気がする。

また気温が低いので自然現象に抗えず、簡易トイレや公衆トイレに並び、5分、10分は時間をロスすることになるのがストレス。

とはいえ、42kmの間、沿道で声援を送ってくれる人たちが途切れることがなく勇気づけられ、ベジータやアイアンマンなどに仮装したランナーと走るのも楽しい。

20kmまでは、まずまず順調だったが、30km手前辺りから足腰が固まり始めたので2回ほど止まって脚のストレッチをした。それでなんとかしのぎ、スローダウンはしたものの、歩くことなく42kmを走り切った。結果はほぼ目標どおりの4時間29分。まあ、よくやったと言えるかな。

それで、満足げな表情。ただ足腰はがたがた。

頭に乗っているのは、会社の送別会でもらったフェイクの月桂冠。ずっとこれを冠って走った。もちろんメインの送別品のランニングウェアも着たし、あの時の約束は守ったよん!

沿道で、小さな子供がボクに声援を送ってくれた。

「 カッパ がんばれ〜 」

カッパは黄桜であって、月桂冠じゃないぞ、などと昔の人しかわからない駄洒落のようなことを考えていたけど、きっと体型や走り方もカッパっぽかったんだろうな…。


さて、東京マラソンを完走し、ボクの人生の節目である6ヶ月の充電期間も、いよいよ終盤だ。

2015年2月20日金曜日

ストーリーが交叉するカウンター

先月、赤坂のよなよなビアキッチンへ行った後に、ふと思い立って久しぶりに寄ったら、なんと2月末に閉店を考えているとのことだったので、じゃ、その前に友人ともう一度来ますとの約束どおり、寒風吹き荒ぶ中、密造者という実に隠れ家バーらしい名前のこのお店を、友人と二人で訪れた。

さすがにお酒の密造はしていないが、どこから仕入れてきたのか聞きたくなるような、稀にしかお目にかかれないお酒を揃えている。実はマスターがfacebookでこんなお酒が手に入っちゃったみたいなことを書いていたのが、なんと自分の生まれ年に蒸留されたシングルモルト。ああ、これは飲まないわけにはいかない。


そして、もいっちょ、シングルモルトをと、目に入ったエドラダワー。蒸留器が小さいことで有名、従業員は3名しかいないらしい。お、3名ってボクの4月からの会社と同じだ。愛すべきこのバーでの最後の一杯が、これというのも何かの因縁だろうかね。



さて、このバーに寄ったのは水曜日の話。日曜には東京マラソンを走るので、今週のお酒はこれが最後。精一杯の結果を出すために3日間の断酒と思っている。

2015年2月14日土曜日

ブルーイング・ラボへ行ってみよう

先月オープンした常陸野ブルーイング・ラボへ行ってきた。

マーチエキュート神田万世橋の万世橋寄りの角に居を構えたこのビアパブでは、ビールの仕込み工程を体験することもできる。アンテナショップとか情報発信地という一方向的な在り方ではなく、常陸野ネストと消費者の交流&創発の場を目指しているのだろう。

ビールの製造設備や原材料・備品に囲まれてクラフトビールを飲むのはまた格別の気分。

メニューには8種類のビールが並ぶ。カウンターで代金を支払った後にビールを注いでくれるキャッシュ・オン・デリバリー、小振りのグラスで一杯均一680円。

フードは、日本酒のワンカップを思わせるビンに調理されたものがパックされており、これをお皿にあけていただく形。なかなか印象的だ。

店内は意外にコンパクト。長居するより、ちょっと寄って軽く飲んでいく場所だと思う。奥には数種類の麦芽のストックが積んでありビール工場の片隅にいるような気分になる。

カウンターの上には様々な醸造関係の小物が。連れの醸造系リケジョ&リケおやじが興味を示し、あれやこれやとホップエキスを楽しそうにいじっている。これをビールに垂らしたりして新しいビールの香味設計に活かすんだろう。楽しい♪

ちなみに、ここでは仕込み工程までを行い、麦汁をタンクで茨城県の醸造所へ運んで発酵させるそう。だからここはマイクロブルワリーではなく、ビールを考える「ラボ」なんだな。発酵工程・貯酒までをお客さんと共有できたらすごいんだけど、そこまでやるには設備的にもオペレーション的にもハードルが高すぎるか。

いずれにしても、木内酒造、常陸野ネストは国内でも海外でも日本のクラフトビール業界を力強く引っ張ってくれる。刺激を受けるね。

2015年2月6日金曜日

グラスはストーリーを語っている

 職業人として、飲食店で生ビールを飲むときについ目をつけてしまうポイントのひとつは、どんなグラスやジョッキを使っているかということ。その飲食店がどう考えてそれを選んだのか、メーカーの営業担当者がどういう提案をしたのか、などということを想像してしまう。

生ビール1杯の価格をどうするかということは、飲食店にとっては大きなポイント。いわゆる中ジョッキで480円と小振りのピルスナーグラスで600円では、お客様の飲み方、お店の客単価と利益率が大きく変わってくる。だから1杯の容量をどうするかということが先に来る場合が多いだろう。そして、グラスのデザインがお店の雰囲気と合っているかということも、もちろん配慮するだろう。


ビール会社にとっては、飲食店は重要なブランディングの場所。だからしっかりブランドをアピールできるグラスを使って欲しいと考える。商品ブランドであったり、企業ブランドであったりするが、近年は商品ブランドが重視されているように思う。


昔はジョッキと言えばデザインは1種類だけで容量のラインナップだけだったが、今はブランド毎に作ったり、微妙にデザインが違うものがあったり、飲食店の店名を入れてるものも多い。店名入りというのは、飲食店側としては特別感があって良いのだろうけれど、商品ブランドのアピールという観点からは少し複雑。



一番ハッピーなのは、その商品ブランドがかっこ良いデザインのグラスを持っていて、お客様がそれを欲しており、お店もそれが気に入っているし商売上の都合も良い、ということだろう。つまりそれはブランド力と深い関係がある。力というのは単純な販売量の話ではなく、そのブランドの個性が深くお客様に浸透していて、そのグラスでないと何か物足りない、そのグラスでないとかっこ悪い、なんてことを思わせる力があるかどうか。


さて、ボクが何の話に持って行きたいか、わかる人はわかっているだろう。このブログでは大きなテーマとしてこれから追っかけていきたいと思う。

2015年2月2日月曜日

23時にバーで逢おう

気の置けない人と飲むと、当然、もう一軒、もう一軒っていう話になる。そうなると、当然の如く、連れて行きたくなる場所があり、当然ながら、飲みたくなる酒がある。だいたいそれは、23時くらいで、ぶっちゃけ話なり、本音のホンネみたいな話になり、ちょっと終電も気にしながら、じゃ、あと一杯、とか、あと一本とか。


こういう飲み方を、死ぬまでにあと何回できるかなぁ。

そういう飲み方をできる人と、あと何人、巡り会えるだろうかね。