2015年1月28日水曜日

よなよな密造すると何かが起こる

一昨年、赤坂見附にオープンした、ヤッホーブルーイングのアンテナショップ、よなよなビアキッチンへ。カウンターのハンドポンプの前の席に案内された。それじゃ、ってわけで久しぶりのよなよなリアルエールを一杯。


こういったメーカーのアンテナショップにしては、オペレーションやサービスが垢抜けているなと思ったら、外食企業のワンダーテーブルとのコラボとのこと。フードメニューが窯焼きチキンとかソーセージとか、肉食な雰囲気がぷんぷんするのも、バルバッコアとかロウリーズとか、モーパラを展開している会社だからかと、妙に納得。


そして、赤坂には自分にとって思い入れのあるお店が何軒かあるのだけれど、その中の一店「MOON SHINER」へ久しぶりに顔を出す。(店名は「酒類密造者」という意味)

ラッキーなことに、ちょうどベルギービールの樽の口開けをするところで、デ・ランケ醸造所で造られるアベイビールのGuldenbergを一番乗りで。


オーナーバーテンダーと懐かしい話やこれからの話をしているうちにすっかりエンジンがかかってしまい。60度のスコッチやら、


マディラワインの樽で熟成させたグラッパやらをペロリぺろりと舐めまして、


夜が更けていったわけですが、今はここでは書けない重大なことを聞いたり、十年ぶりくらいの懐かしい方に出くわしたり、よなよなのお店を見ておこうかと赤坂に出て来て、結果的にこのお店に寄る気分になったのは、何かに呼び寄せられたのだろうと感じた次第。


2015年1月26日月曜日

喰い、語り、かき鳴らし、吹き、叫び、飲んだ

この土日にまた弾丸ツアーを決行した。

今回は新幹線「Maxとき」と特急「はくたか」を乗り継いで富山へ。そこで待っていてくれたのは、25年前に入社したときの大先輩。13歳年上の、ダンディという言葉が似合う、それはそれは渋いヒゲのおっさん。仕事の先輩であると同時に、一緒の職場にいた当時、何度か共演した音楽仲間でもある。多少世代は違うがフォークソング系で趣味が近かったから。

「缶詰工場」という店名のバーで瓶のハートランドを飲んだのは、すでに24時前。このお店もかなりユニークだが、ここに至るまでがなかなか面白かった。


富山駅で拾ってもらい、展望塔でちょろっと景色を見たら、次に連れていかれたのが、事務所の奥の、社長室の奥の、秘密の音楽スタジオ。そこで早速練習をしようという。ギターもマイクも譜面台も何でもそろっている。

缶ビールを飲みながら、ギターを弾いたり、ビデオを見たりで、日が暮れるのを待ち、居酒屋へ。


ひょろ長い男が二人、カウンターに並び、近況を語り合いながら、美味い富山の刺身と牡蠣をいただき、ま、食べるのはこれでいいかとばかりに、早々に切り上げ、次に向かったのがフォーク酒場。地元の音楽仲間も合流し、始まった演奏会。


さあ、吉田拓郎ばりに、ハーモニカをふかし、ギターをかき鳴らす。弾き語りっていうのは、カラオケより何倍も気持ち良い。酔うっていうことで、酒に勝るかもしれないな。あ〜あ、こんなシャウト顔しちゃって。

最後のハートランドがとてつもなくうまかったことは、わかってもらえるだろう。

2015年1月21日水曜日

ひとすじの光がそこに見えるかもしれない

前回の投稿で、お酒を飲んで味や香りがどうということだけを楽しむというのではもったいないと書いたけれど、関連して、ボクがバーが好きな理由をひとつ。

多くのバーは空間を全体的には薄暗くして、ライティングを工夫することで空間を演出し、お酒を飲む雰囲気をつくり出している。小難しく考えることではないかもしれないし、認知心理学的にはどうか調べていないけれど、暗く余計なものが目に入ってこないことによって、人の五感は鋭敏になると思っている。暗い中で見えるもの、聞こえる音、手触りに対してより敏感になる。そして味覚と嗅覚も。そしてその環境、状態は思考にも影響するだろう。


もちろんレストランでもカフェでも空間を提供する飲食業では、多かれ少なかれそういう要素はあり、それぞれのお店で工夫をしているのだけれど、バーにおいては、触覚、視覚、聴覚という、飲食と直結する味覚・嗅覚以外の三要素の存在がくっきり際立って現れてくる感じがする。目の前の液体をゆらして、グラスの触感と屈折する光に目を凝らし、時には氷とグラスが当たる音、バーテンダーがお酒を作る音をも楽しみながら、何か考える。

このガージェリーに関して言えば、リュトン(角杯)を台座に置くときの、ガラスとガラスが触れ合う瞬間のちょっとした緊張感、台座に収まったリュトンをくるくる回してみたり、複雑に屈折・反射する台座の光に見とれたり、ビールを味覚・嗅覚で楽しむことだけではない魅力があり、だからそれがバーで活かされている。

バーで、光と、音と、触感を楽しんでみよう。

2015年1月16日金曜日

泡と消えることのない時間の蓄積

会社の関係があるので普段はまず行くことはなかったのだけど、機会がありライオン銀座七丁目店へ。昭和9年に創建されたこのビル、この空間で、実に80年以上の間、変わらずビールが提供されてきた。昭和9年といえば亡き父の生まれ年だ。


高い天井、重厚な壁面に見事なガラスモザイク、歴史と人のエネルギーを感じながらビールを楽しめるこの空間は、簡単には真似できない、真似できるはずがない。


酒を飲むという行為を、液体を喉に流し込んで、うま〜いっていっているだけで終わらせるはもったいない。ここのように酒を飲む場に歴史があり、酒そのものにも歴史がある。酒の歴史は人類の歴史。


それを職業にして生きていけるとしたら、ずいぶん幸せなことだと思う。

2015年1月13日火曜日

サマにならない読書家が新年に誓う

ボクはだいたい週に2冊ペース、年に100冊ほど本を読む。ジャンルはいろいろ、小説、ノンフィクション、ビジネス本、教養本などまったく雑食。15年くらいこのペースを続けているので、もう博学と言われても良いくらいに頭の中にいろいろ入っていてもいいのではないかと思うのだが、実のところ、読んだ本の内容をあまり覚えていない。読んだ端からどんどん忘れていってしまう。まあ、表面的には忘れていても、頭の奥底には何らか残っていて、少しずつお利口になっているのではないかと楽観的ではあったのだけど(苦笑)…

昨年の暮れにいつものように本屋に立寄り手にとった新書をぱらぱら目を通したら、おっと、いたいた、同じような人が〜!この本の著者も、読んだ本の内容を覚えていないという悩みがあり、それを克服するためにこうやってみよう、というノウハウをまとめている。

読書したことを何らかのアウトプットに繋げようという意思が前提になるかもしれないけれど、簡単に言えば、読んだ本を要約しクラウド上にメモとして残す。テーマ毎にファイルをつくり、読んだ本のポイントを書き足していくことで、自分なりに統合した「知」を更新。時間のあるときに随時見直す、ということ。使用するクラウドサービスはこのGoogleの「ドライブ」という機能が一番使い勝手が良いそう。本の選び方、要約の仕方などにも具体的なアドバイスがある。

まあ、本を読んで時間を過ごすことで十分、必ずしも内容を覚えている必要はないっていう人には無用だし、いずれにしても、実行するとなるとそれなりに手間がかかるので、続くかどうかって話だ。

自分としては、これからは少し真剣に「知」を貯めていきたいと思っているので、何はともあれ始めてみた。もちろん一冊目の要約はこの本で、すでに5冊くらい。さて、ものになるかどうか〜。

<おすすめ書籍>
「サマる技術」船登惟希

2015年1月11日日曜日

角杯は踊る

ほぼ同時期に会社をやめることになった2人でサシ飲み。一軒目で蒸留酒を1本空けてしまったもんだから、ふたり、そこそこ、よっぱ。でもエンジンかかっちゃったから、お店を出る第一歩から足はバーの方向に踏み出されることになる。

新宿西口のバーARGYLLはほどよくカジュアルで、凛としたオーセンティックな雰囲気も併せ持つ、要は居心地が良い。

そして樽生ビールは、ガージェリーエステラ。


引き続き語り合いながら飲んで、


しだいに深くツッコミながら飲んで、


目をしょぼつかせながら飲んで、


止まることなく、一人4杯を飲み干し、時刻は終電間近。

ボクよりも一足先に、すでに新しい道を歩み始め、それを大いに楽しんでいる、このおっさんに負けんようにしないと、なんて思いつつ、駅前で気色の悪いハグをして解散。

愉快な晩だった。

2015年1月5日月曜日

ドイツに送り込んだオランダの伏兵はベルギーから

六本木に昨年オープンしたキリンシティへ。すでに他で飲んで2軒目なので、一番搾りスタウトからスタート。三回注ぎのビールは適度に炭酸が抜け温度もやや上がるので口当たりも味わいも優しいのが好きだ。


と、差し込みメニューに見慣れないビールがある。お、最近ハイネケン・キリン社が輸入を始めたAffligemというベルギービールだ。なんでハイネケンがベルギーと思ったが、2000年にこの醸造所はハイネケン社の傘下に入ったとのこと。

キリンシティと言えば、もとはドイツのケーニッヒシティというビアパブをお手本にした業態だけど、昨今のベルギービール人気は見逃せないんだろう。歴史ある修道院ビールを飲んでみた。


ラベルにダブルファーメンテーションとあるが、ビールを瓶に詰める際に少量の砂糖と酵母を加えて瓶内発酵をさせているよう。そしてその酵母には凝集性があるとのことで、発酵が終わった後は澱になって瓶の底に沈む。このブランドは、ビールの上澄み90%を「ボディ」、底の酵母が沈んだ10%程度を「ソウル」と呼び、それぞれを別々に注いで味わいの違いを愉しむことを奨めている。その説明が描かれたコースターとグラス大小2個が出され店員さんがボディとソウルを注ぎ分けてくれた。小さなグラスはお猪口サイズだけど、ちゃんと聖杯型をしている。


修道院ビールとしては比較的軽めで、キリンシティの充実したフードメニューに合わせて愉しめるビールだと思う。せっかくだから、もう2〜3種類ベルギービールがあると嬉しいんだけど、あまりここに力が入ると業態のコンセプトが変わっちゃうかな〜

2015年1月3日土曜日

鳴らしたのはギターの弦とハーモニカと、あとは、

昨年末の記事で書いた高校時代の友人とのバンドで、今年の春にもライブをやることにした。2001年の後は2012年にやって以来で、今回は3年ぶり。ほとんどのメンバーはあれ以来まともに楽器をいじっていないので、手慣れた曲をやるとは言えヒト様に見ていただくためには、それなりの準備が必要ということで、早速元旦からスタジオ入りをした。というのも、メンバー6名のうち、2名は地方勤務で大阪と名古屋。それなりに責任のある立場で忙しい人たちなので、全員が東京に集まれるタイミングは限られてくる。本番まであと2回くらい集まれればいいところ。


夕方4時から夜の10時まで、実に6時間のセッション、ドラマーに至っては事前に2時間の個人練習をしたから8時間。腰痛も出てふらふらになったけれど、楽しかったぁ。気心の知れた仲間と過ごす時間はほんとにいい。


渋谷のスタジオを出たのが10時過ぎ。渋谷とは言え元旦だから営業しているお店も限られている。荷物も大きいから、手っ取り早い大手の居酒屋チェーンに飛び込み、とにかくまずは!喉を鳴らして飲んだ生ビールのうまいことと言ったら無い。



さあ、2015年が始まった