2016年2月29日月曜日

10年前の、君のこころに残りたい

このブログの前身は2005年から2006年にかけてlivedoor blogにアップしていた『マーケティング戦略部長日記』なのだけど、あらためて読むと、今とまったく変わりない想いでやっていたんだなと、我ながら感心する。そんな10年近く前の日記を今回も1つ再掲。(文中2箇所の〝XXXXXX〟は今は存在しないサービスか、ガージェリー取扱いのなくなったお店)


+++++++++++++++++++++++++++
20060522
君のこころに残りたい

最近、このブログやmixiを通しての取扱店のお問い合わせをいただいたり、お店で飲んできたことをお知らせいただいたりして、本当に嬉しい限り。ありがとうございます。

またとは違うんだけど、昨年「XXXXXXX」という新しい専門学校をご紹介したところ、その記事を見たのがきっかけで受講するに至った、という御礼のメールを最近いただいた。ボクにとっては、ほんと何の気なしに書いた記事だったので、御礼を言われる筋ではないと思うが、まことに嬉しいことだ。逆にボクが元気づけられた。

先日のことだけど、のオフィシャルサイトの中で連載しているエッセイシリーズを次に書いていただく方と打ち合わせをした。
このエッセイシリーズ、なかなか好評なのだが、執筆いただいた作家さんが後に直木賞や芥川賞を受賞している。予算が無いために大活躍一歩手前の方々にお願いしているわけだが、さすがの目の付け所と言えよう。(って、ボクが人選しているわけではないけどね。)

で、次の作家さんは若手のタレント。大学院に所属し、ちゃんと勉強しつつテレビやラジオに出演している、誠に意欲旺盛な20代半ばの女性。
渋谷セルリアンタワーの「XXXXX」でGスタウトを召し上がっていただきながら打ち合わせをした。



彼女の“G”の感想が面白かった。

「このビールを初めて飲んだ時に、一緒にいた相手のことは一生忘れないでしょうね。」

最初は「嬉しいけど、それは大げさでは・・・?」と言いかけてしまったが、一呼吸置いて、なるほどと思った。
つまり「美味しい」ということだけを言いたいのではなくて、グラスのデザインを含め、そのシーンを「印象に残すことができる」ビールだということだ。
人間の認識というのは視覚が80%を占めるとどこかで聞いたが、その視覚での印象が強烈な上に、味、香り、そしてグラスの手触り。逆円錐のグラスを回したり、台座の穴に収めるように気をつけたりしながら、このビールについての会話を交わす。
結果として、そのシーンの印象が強まって(特に視覚として)、ずっと記憶に残ることになるかもしれない。



改めて意を強くしたが、は美味しいということだけを目指しているわけじゃない。飲んだ方の大切な時間を彩ることができればと思う。さらには、大切なときにこそ飲んでいただけるようになりたい。記憶に残るシーンの片隅にしっかり焼き付いている重要な脇役になりたい。

このことは外食業界の方々の志すものにも共通することだ。
美味しいものを提供するだけではなく、空間とサービスにも工夫を凝らして、いかにお客さんの時間を演出して楽しんでいただくか、感動していただくか、サプライズを創り出すか。

そう言えば、すっかり記事にしそびれていたが、先月、新しいお店のレセプションに出てきた。
グローバルダイニングの№2だった新川義弘氏が満を持して開店させた「Dazzle」。

天井高9mのダイニングフロア。その空間の一角を占める巨大なワインセラー。天井から吊るされた160個ものスワロフスキー製ライト。そこにカリスマとも言えるサービスマンが命を吹き込むわけだ。残念ながら取扱店ではないが、きっと記憶に残る時間を提供するお店になるだろうな。



例えば、このお店に初めて行った相手との思い出を大切に大切にしている。
そんな話が聞こえてくれば新川氏は本望だろうと思う。
他人の時間を、ひいては自分の時間を、いかに素敵に演出できるか、それが仕事の目的であり醍醐味。なぁんて言ったら、ちと気張り過ぎかもしれないが。

そんな想いを持った人たちと一緒に歩んでいきたい。そう考えているビールがあってもいいじゃないかい。

(以上、20060522日の投稿の再掲)
+++++++++++++++++++++++

2016年2月21日日曜日

注意しなければいけないこと

最近ね、ちょっと食べすぎかな、と思っているんです。


それは、自分が窓口をしているガージェリーの取扱店がバーに偏っているかな、


そんな風に思いまして、


食べ物が中心のお店へ、意識してガージェリーを案内しに行っていたわけです。


そんなに深刻な体重の変化があるわけではないですけれど、


営業で毎日1万歩、2万歩と歩いているし、


でも、少し気をつけないといけないなと、


思っております。





2016年2月1日月曜日

ストーリーは続く

続けるっていうことは大きな意味を生むんだな、と思う。

ガージェリーのホームページで年に2回程度のペースで更新しているショートストーリー。作家やエッセイストなど、文章を書くことを生業としている方々に、ガージェリーをイメージして短い文章を書いていただく。2004年の絲山秋子さんから始まり、もうかれこれ12年が経過、31人の方々に執筆いただいた。少ない予算の中で始めたことなので、もうすでに有名になっているような人ではなく、当時はまだこれから、という方々に声をかけてきた。

お受けいただいた方は、大抵ガージェリーのことはご存じないので、まずはお会いしてガージェリーを召し上がっていただきながら、商品開発の背景やコンセプトなどを説明し、イメージを膨らませてもらう。完全なフィクションになることもあれば、打ち合わせの状況をほぼそのまま文章にされた方もいらっしゃり、出来上がってくる文章は様々、幅広い。

思うのは、ガージェリーにとっても12年が経過したけれど、それぞれの作家さんも12年の時間を過ごしてこられて、いろいろあったのだなぁ、と。その中でも、書いていただいた後に、大きな文学賞を受賞されて、大きく飛躍されたというのは嬉しい出来事だ。

2004年に初めてショートストーリーを書いていただいた絲山秋子さんが2006年芥川賞を受賞、同じく2004年に書いていただいた角田光代さんが2005年に直木賞、2009年に書いていただいた柴崎友香さんが2014年に芥川賞、そして2006年に書いていただいた本谷有希子さんが、この度、芥川賞を受賞された。

こうなってくると、12年続けてきたことに大きな意味があり、価値がある、という気持ちがますます強くなる。ガージェリーのショートストーリーの継続自体が大きなストーリーになりつつある。

西新宿blanDouceにて

なので、このストーリーはさらに展開し、まだまだ続くのである。