2015年7月7日火曜日

コストはスタウトな資産になり、資産はスタウトなブランドになる

先日、醸造所の見学会。ガージェリーの製造委託をしている新潟の醸造所にお客様をお連れして、ビール造りの現場を〝かぶりつき〟で見ていただいた。やはり現場って説得力がある。言葉をいくつ並べるよりも伝わるものが伝わる。

自分自身もあらためて感じるものがあった。何しろ10数年ぶりだ。前職の大手ビールメーカーの工場には幾度となく足を運んだが、この春からここが自分の商品の製造拠点だ。

一番印象的だったのは、ガージェリー・スタウトの麦汁。

大手のビール工場で普段見る麦汁とは異次元の濃さ。


この濃厚濃褐色の麦汁を100日以上かけて醗酵・熟成させる。1つの液種にそんなに長い期間タンクを占領させるというのは、ビール会社にとっては製造効率上の重荷になる。言い方を変えるとコストだ。

そして、熟成を終えたビールを、毎日受注した分だけ樽詰めし、すぐ翌日には飲食店に冷蔵便で届ける。通常は一度に樽に詰めてしまい、樽として在庫をする。さらに卸や酒販店の在庫を経てからお店へ届くことになる。それをしないで、コンディションの良いビールを届けるために毎日毎日の手間を惜しまない。人件費、コストは積み上がる。1樽1樽冷蔵の宅配便なんてコストの塊だ。しかし、すべては品質のため。

これを一年365日休むことなく12年以上続けているのが、ガージェリーだ。

簡単には真似できない、プレミアム。

上っ面の言葉ではない。

さて、コスト、コスト、と言ったが、これも実は少し違っていると思っている。

愚直に続けていくことで、これは「資産」に変わるのだ。

そして、それは「ブランド」。

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