2015年6月22日月曜日

それでも、次の駅へ向かう

ボクは暗い気持ちになっていた。

お得意先だったバーの営業開始時間に行っても人がいない。しばらく経っても誰も来ない。それが2回続いたので、ネットで調べてみた。そうしたら何と、そのバーテンダーさんは3ヶ月前に亡くなっていたのだ。ボクにとっては初めての訪問で、これからよろしくお願いします、と挨拶をするはずだった。会ったことのない人だが、自分が愛するビールを扱ってくれていた、大切な人だ。若かったのだと思うけれど、脳溢血で急だったらしい。オーナーさんは別にいらっしゃるみたいで、お店はしばらく休業ということらしい。

それは3ヶ月前のことだ。ボクがこの仕事に戻ってくるより前のことだ。それでも、やはり重い気持ちになる。

自分ももう50手前だから、そういうことはいつも隣り合わせだと思っている。だから、残された人生を意味のあるものにするために、こういうことも生きる原動力にする気持ちの切り替え方を身につけてきた。


次の得意先へ足を向ける。

電車に乗り、久しぶりに降り立つ駅。

iPhoneのgoogle Mapをにらみながら路地に入る。

見つけた。ここも初めての得意先。


ミートソース専門店の素晴らしく美味しそうなパスタ。和牛スネ肉のミートソース。


愛するビールとともにあっという間に完食。


美味しいものを前にすると、やはり幸せな気分になる。

生命を食して、幸せな気分になっている。


さて、明日もちゃんと生きようじゃないか。


0 件のコメント:

コメントを投稿