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『回想するにはまだ早い』
2006年7月17日
最後だから少しはマーケティング戦略部長らしい話も交えながらオサライをして参ろう。
ボクらの会社は3人でやってる。
社長兼ビール醸造責任者の“Gマス”、営業戦略部長、そしてマーケティング戦略部長。
“G”の事業を始める前、ボクらは日本のビール業界に疑問を持っていた。ビジネスとして“量”ばかりを
志向した商品。広告イメージ先行の商品。そして酒税法の隙間をついた価格訴求型の商品がますます広
がっている。
一方で消費者の嗜好性は着実に高まってきている。ワイン、日本酒、焼酎について一定の知識を持って
楽しむ人は明らかに増えているし、モルトウィスキーを語る人もいる。ビールについても地ビール、ベルギービールなどについて小さな流れが始まっているように思えた。
既存のビール業界の真ん中にいて感じるこの乖離感は何だろう。
お酒が大好きだから、ビールが大好きだから、やりたいことが噴出してきた。
既存のビール業界の真ん中にいて感じるこの乖離感は何だろう。
お酒が大好きだから、ビールが大好きだから、やりたいことが噴出してきた。
それが“G”だ。
既存のビール業界を否定するのではなく、新しいものを創らなければいけないと思った。アンチテーゼだけじゃ人を惹きつけることはできない。ビールが本来持っている可能性を引き出して、さらに他にはない魅力を加えたい。
願わくば、飲んでいただいた人たちの生活や人生を演出する名脇役として長く愛されるものを創りたい。一番売れるビールではなくても、一番愛されるビールを創りたい。そういう想いでこの 4 年半やってきた。
ボクらは醸造所を持たないビール会社を設立した。
本格的に独自のブランド展開を志向した“コントラクトブリュー(契約醸造)”という日本では初めてのビジネスモデルのビール会社。Gスタウトを造っているのは新潟の醸造所。Gエールを造っているのは静岡県の醸造所。Gマスがビールのレシピを作り原材料の手配をし定期的に現地へ通って醸造管理をしている。
飲食店からいただく注文の数だけ毎日樽詰めをして、その翌日に冷蔵便でお店に届ける。
365 日無休で「昨日詰めたばかりの樽生ビール」を飲食店に届ける。
3 人で 365 日営業をしているボクらもボクらだが、それに付き合っていただいている醸造所の方々に感謝しなければいけない。
醸造所を持たないボクらにとって唯一の有形資産はビールの樽だ。オリジナルの樽をベルギーの会社に発注。ラベルシールなどは自分たちで貼る。
本格的に独自のブランド展開を志向した“コントラクトブリュー(契約醸造)”という日本では初めてのビジネスモデルのビール会社。Gスタウトを造っているのは新潟の醸造所。Gエールを造っているのは静岡県の醸造所。Gマスがビールのレシピを作り原材料の手配をし定期的に現地へ通って醸造管理をしている。
飲食店からいただく注文の数だけ毎日樽詰めをして、その翌日に冷蔵便でお店に届ける。
365 日無休で「昨日詰めたばかりの樽生ビール」を飲食店に届ける。
3 人で 365 日営業をしているボクらもボクらだが、それに付き合っていただいている醸造所の方々に感謝しなければいけない。
醸造所を持たないボクらにとって唯一の有形資産はビールの樽だ。オリジナルの樽をベルギーの会社に発注。ラベルシールなどは自分たちで貼る。
ボクらの資産として最も大きいものは有形ではなく無形資産。
それは「ブランド」だ。
つまり“G”ブランド。 この“G”ブランドをお客さんに認識していただくためには、グラスのデザインは極めて重要。“G”が樽 生だけで展開する以上、形としてお客さんの目に触れるのはグラスだからだ。
だから誰もが一度見たら忘れられない形、しかもブランドとしてメッセージをしっかり持っているデザ
インにした。
台座の穴に入れないと自立しないコーン型のオリジナルグラスはガラスメーカーの職人さんを大いに困らせた。それでもなんとかやってしまうのが“職人”だ。
古代の酒器である角杯をイメージしたグラスは“G”の顔。
エレガントなシルエットは“G”のマーケティングターゲットにした30~40代の女性の手によく似合う。
そう、こだわりのビールをビールに詳しい人たちに訴えたかったんじゃない。外食を楽しみ美味しいものを知っていて、普段はワインやカクテルを飲んでいるような彼女たち。彼女たちに「新しいアルコール飲料」として“G”に出逢って欲しかった。
だからボクらは“東京外食マーケット”のど真ん中からスタートした。
“G”の品質に対するこだわりを理解いただくことが前提で、通常の大手ビールに比べると数割価格が高いプレミアムビールに対する受容性を持ち、お客さんがそういうものを楽しみたいと思えるシチュエーションを提供する飲食店。
ってなことを考えながら、メンバーと喧々諤々議論しながら、街を歩いた。
お店の方に最初「新しいビール会社です。」と挨拶すると、たいていは「うちはビールは決まってるから。」とそっけなく言われる。しかもスタウトビールだと知ると「うちは黒ビールは売れないよ。」
でも、とにかく試飲していただく約束を取り付け、重たい試飲キットを持参。
最初はネガティブな反応をしていた人が、このキットを準備している最中、角杯に目を奪われ、これにビールがサーヴされると風向きが変わる。一口飲んだ後には「ディスペンサーを置く場所があるかなぁ。」などと急に具体的な会話になったりして。
しかし取り扱いが始まってからの方が難しい。無名のビール、しかも“黒ビール”を注文するお客さんはそんなに多くはない。お店の人がリコメンドするか、メニューでかなりアピールしていただかなければビールが回転しない。ビールが古くなって味が落ちたものを出したら“G”もお店も評判を落とすだけ。扱っていただかない方が良かったということになる。
だからPOPが重要な役割を果たす。普段はあまりPOPを置かないようなお店でも使用していただける
センスのあるデザインが肝要。継続して使用していただけるよう季節に応じたデザインで入れ替えもする。カメラマンに格安で撮影をお願いし、デザイン、印刷は自前。毎シーズン、会社のプリンター、パウチ機はフル稼働になる。
3 年半で“G”の取扱店は約 240 店。その間にイングリッシュパブチェーンとの素敵な出逢いがあり、同チェーンのオリジナルビールをボクらが提供することになった。それでもまだ売上規模は知れているからコストはかけられない。3 人でえっちらおっちら物を運んだり、
生ビールディスペンサーの設置や撤去もできる限り自分たちでやっている。
最近はおかげさまで出荷が伸び、空樽が足りなくなりそうになる事態も起こる。先に言ったように、唯一の有形資産の樽をいかに効率良く使うかは経営上の重要なポイント。
追加して購入すれば余裕を持って回せるかもしれないが、資金は限られている。だから、慌てて車で集めて回ったりする。
若い頃にイメージしていた“ヤングエグゼクティブ”みたいな仕事とはずいぶん違う。 “マーケティング戦略部長”なんて名刺を作ってみても、実際の仕事内容は、グラスや樽の運搬だったりする。
それでもだ、
素敵なお店に巡り逢うのが楽しい。
東京のど真ん中でも季節を感じるのが楽しい。
人に巡り逢うのが楽しい。
友人や家族が応援してくれるのが嬉しい。
ブログをやっていて、何が面白かったって、料理の接写。(笑)
従来のビールはすっきりさっぱりして、食事中に次の一口のために口内の脂分を流す役割。
だけど“G”はワインのように、料理の味にビールの味を重ねて、お互いを引き立て合う楽しみができる。 だからマリアージュなんて洒落た言葉を頻繁に使っている。
だけど“G”はワインのように、料理の味にビールの味を重ねて、お互いを引き立て合う楽しみができる。 だからマリアージュなんて洒落た言葉を頻繁に使っている。
さて、こんなに“G”に想い入れをしてますよ、と言ってみたが、
おいしいビールを提供するにはボクらだけの力では及ばないところが実は大きい。
お店までは届けることができても、お客さんの口元までは運べないから。
最後の最後の数メートルはお店の人に託そうじゃないか。
おいしいビールを提供するにはボクらだけの力では及ばないところが実は大きい。
お店までは届けることができても、お客さんの口元までは運べないから。
最後の最後の数メートルはお店の人に託そうじゃないか。
だから、ボクらは街へ出る。
バーテンダー、ソムリエ、フロアスタッフの方々に会いに行く。
バーテンダー、ソムリエ、フロアスタッフの方々に会いに行く。
“G”は、お客様の前で花のように咲いているだろうか。
“G”のストーリーはまだまだ続く。実はこれからが面白い。
でも、みねバンと“G”の公私混同ブログはこれで終了。
一年と3ヶ月半。
お読みいただいた方、コメントいただいた方、
実際に取扱店へ足を運んで召し上がっていただいた方、
本当に本当にありがとうございました。
ああ、これで終わっちゃいますね。
今度は“街”でお会いしましょう。
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以上、2006年7月時点の内容です。
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