2016年4月4日月曜日

天使の分け前とゴブヌの贈り物

ガージェリーのフェイスブックページに投稿しているお店紹介の記事。去年の春から始めてもう何店分くらい投稿しただろう。自分で言うのもなんだけど、文章はほとんどお店の紹介になっていない。お店の何らかの要素をピックアップし、それをネタにショートストーリーみたいなものを作っている。最後にガージェリーホームページのお店紹介ページにリンクを貼っているので、お店がどこのにあるのかかろうじてわかる。それが良いのか悪いのかはわからないが、今のところ何人かに聞いた限りでは好評のようだ。

そもそもガージェリーのフェイスブックページを見てくれている人は日本全国あちこちに住んでいらっしゃるので、紹介する店が必ずしも行ける範囲にあるとは限らない。むしろ、ほとんどのお店は縁の無い地域のお店だったりするので、個別のお店のプロフィールを詳細に記述するよりも、ちょっと外に飲みに出たくなるような、ガージェリーの取扱店へ行きたくなるような、そんなゆるい内容でオーケーなのではないか。ちょっとニヤリと笑ってしまうような内容の方が飽きずにフォローしてくれるのではないか。そう思って書いている。

今回取り上げたのは、世田谷区二子玉川の「Angels' share」さん。カウンターだけのコンパクトなオーセンティックバー。オーナーバーテンダーの人あたりが柔らかく、とても居心地の良いお店。


言うまでもなく、ウイスキーを樽で熟成している間に水分やアルコールが蒸発して目減りすることを言うAngels' share (天使の分け前)が店名の由来。


だから、棚に置いてあった天使のガラス細工を出していただき、こんな風に写真を撮らせていただいた。お客様からのいただき物だそう。

天使といえば、神様ってことで、ピンときたのがガージェリー23のラベル。ここに描かれているのはゴブヌというケルト神話に出てくる鍛冶の神様。ビール造りの名人で、そのビールには不老不死の秘術がかけられているそうな。


そもそも「ガージェリー」というブランド名は、小説『大いなる遺産』に出てくる鍛冶職人のジョー・ガージェリーから取ったのだけど、このラベルに描かれている絵は、実はジョー・ガージェリーではなくゴブヌなのだ。じゃあ、天使が分け前を持って行ってしまうのなら、ゴブヌは何をするのだろうと考えた。

ふむ、ガージェリー23は瓶の底に沈殿している酵母を混ぜて濁りビールにして飲むのが面白いビール。ここAngels' shareでもガージェリーを注ぐ時は、ほとんどのビールを注いだ後、少し瓶に残したビールをくるくる回して酵母を巻き上げてからグラスに注いでいる。その時、クリアなビールに濁った酵母入りビールが混ざっていく様子がとても印象的。

じゃあ、この酵母はゴブヌからの「贈り物」なんじゃないか。天使の分け前に対して、ゴブヌ神の贈り物、これはなんとも楽しい対比だ。そんなことを考えて文章を書いてみた。

なんてことをゆるゆるとやっているので、是非、ガージェリーのフェイスブックページをフォロー(いいね!)してみて下さ〜い。






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